AKB選抜総選挙論①
AKB48の歴史を語るうえで、AKB選抜総選挙は欠かせないイベント。
これに、異論を唱える人はそんなにいないのではないでしょうか。
選抜総選挙の投票券が入ったシングルは200万枚に近いセールスを記録し、
結果の生放送は視聴率20%を超すなど、アイドルのイベントという域を越え、
社会現象と言われるほどになりました。
そもそも、選抜総選挙というのは、AKBの運営側が決めていたフォーメーションに対して、
ファンの「なぜ、あの子が前列なのか?」という声が募り、
秋元康Pが「ならば、ファンによる投票でフォーメーションを決めさせよう」
という逆転的発想がそもそもスタートでした。
つまり、選抜総選挙はどちらかというと身内向けのイベントでした。
しかし、回数を重ねる中で、そこまでコアなファンではないライト層も巻き込んでいきました。
ここで、一つの疑問が生じます。
なぜ、人々はAKB選抜総選挙に熱狂するのか?
今回の投稿では、実際の政治理論を用いて、この疑問に対する検討を紹介したいと思います。
まず、本当にAKB選抜総選挙に人々は熱狂しているのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、直近3回の選抜総選挙の総投票数をご紹介します。
第8回(2016年)…325万5400票
第9回(2017年)…338万2368票
第10回(2018年)…383万6652票
引用:https://www.oricon.co.jp/news/2113808/full/
まあ、すごい数字ですよね。経済効果いくらだよ、という話です。
ちなみに、第2回(2010年)が37万7786票ですから、約10年間で10倍以上増えたことになります。
もちろん、ファンの絶対数も増えたこともありますが、ライトなファン層も投票に参加したことも、ここまで投票数が増えたと判断できると思います。
さて、では、AKB選抜総選挙の何がここまで多くの人を投票に駆り立てるのか。
そこで、実際の投票理論として存在する「ライカーモデル」を、このAKB選抜総選挙に当てはめて、検証したいと思います。
まず、ライカーモデルのご紹介から。
ライカーモデルは、アメリカの政治学者であるウィリアム・ライカーが確立した投票行動理論です。
R=P×B+D-C
まず、Pの要素ですが、これは自分の投票によって選挙結果に影響を与える可能性を意味します。
日本の場合は、地方選挙よりも国政選挙のほうが投票率が高いのですが、アメリカだと、地方選挙のほうが投票率が高いというデータがあります。
これは、地方選挙のほうが有権者数が少ないので、自分の一票が結果を決する可能性がより高まり、それ故に投票意欲が高まる表れと考えられます。
実際、有権者数が3人だったら、と考えれば、自分の一票が結果に与える影響力はかなり高いですよね。そしたら、投票したいと思う人も増える。そういうことです。
これを、AKB選抜総選挙で考えると。。。
AKB選抜総選挙って、ご存知のとおり、一人一票ではありません。賛否両論ありますが、これについては、また別の機会で。
すると、自分の投票数によって、推しメンの順位を上げることができるわけです。
実際、1000票入れて推しメンの順位を1つ上げた友人もおります。
また、ご自身もAKBのファンで、AKBに関する著書もある漫画家の小林よしのりさん。
以前、ブログでこのような投稿をしておりました。
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AKB総選挙の票の内実を問うたら、そもそも成り立たない。
あれは一人一票の民主主義ではないのだ。
外国人の票を外したら、今度は国内の太ヲタ票を
外さねばならない。
一人で百万、二百万、いや一千万円ぶち込んで、
アルバイトを雇って投票する太ヲタだっている。
ようするに金持ちのオッサンをヲタにしたメンバーが
上位に入るという、理不尽を内包しているのが
AKB総選挙なのである。
引用:https://yoshinori-kobayashi.com/5064/
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一部を切り取っておりますが、この部分から考えると、「金持ちのオッサン」になれば、結果対して十分な影響を与えらることを意味します。
【結論①】